田村工務店 編集部メルディアグループ(株式会社三栄建築設計 傘下)
田村工務店は昭和41年に創立し、地元川口を中心にマンション・アパート建設や注文住宅、社寺建設や工場、保育所に飲食店などの多岐に渡る施工実績があり、また、近年においては、ストレージ建築、耐震補強工事など、新たな事業への取り組みを行っております。
詳しいプロフィールはこちら2022.03.07 その他
病院の建設を考えるうえで、まず知っておきたいのは「建設費用の目安」や「コストが決まる要素はどこか」といったお金周りのこと。
それと同時に、利用できる補助金や税金対策についても気になる人は多くいるでしょう。
そこで今回は、病院の建設を検討中の方に向けて、建設費用の目安、費用が決まるポイント、補助金や税金対策について、コストに関わる基礎知識をまとめて解説します。
さらに、病院建設にかかる期間や流れについても合わせて解説していますので、ぜひ参考にご一読ください。
Contents
まずは、建築基準法にて「病院」がどのような位置付けとされているのかを確認してみましょう。
建築基準法とは、「建築物の敷地・設備・構造・用途などについての最低基準を定めた法律」です。建築物を建設する際には、この建築基準法のルールに沿って建てる必要があります。
病院は、建築基準法第2条2項にて「特殊建築物」に指定されています。「特殊建築物」とは、特殊な用途を持つ建築物のことで、他に学校、体育館、工場、百貨店、旅館などが特殊建築物とされています。
「特殊建築物」は不特定多数の人々が利用する建物となるため、立地条件や防火設備、構造などが厳しく制限されています。そのため、病院の建設を考える際は、事前にどのような基準があるのかをしっかりと確認しておくようにしましょう。
病院の建設費が決まるポイントとして、以下3つの要素が主に関係してくるでしょう。
どれくらいの規模の病院を建てるかによって、建設費も異なります。
例えば、戸建てを建てる際にも、延床面積が大きければ大きいほど建設費も高くなる傾向にありますが、これはどの建物にも共通していることで、病院を建てる際も同じです。
病院の診察室や待合室の面積、病床の数はどうするかなどを検討したうえで、理想とする病院の規模で予算内に抑えられるかどうかがポイントとなります。
建物の構造には大きく分けて、木造・S造・RC造・SRC造という4つのタイプがあります。
通常、木造がもっとも建築費が安く、S造、RC造、SRC造の順にコストが高くなる傾向にあります。それぞれのメリット・デメリットを比較し、どの構造タイプを選ぶかを決めましょう。
【構造タイプの比較】
病院を建てるにあたって、外観や内装デザインをどうするかも、建設費が決まる大切なポイントの一つです。
たとえば、高級感を出すために、外壁にレンガやタイルなどの価格の高い建材を使用するのであれば、建設費もおのずと高くなるでしょう。内装についても、フローリングや壁の建材をどうするかや、間取りの複雑さによって、建設費が異なってきます。
外観や内装を決めるにあたっては、どのようなコンセプトにするのかを明確にしたうえで、予算内に収まるようにデザインを決めていくのがポイントです。
病院の建設費用および、内装や医療機器にかかる費用は、どれくらいを目安として見ておくのが良いのでしょうか。
こちらでは、構造別・地域別の建設費用の目安、内装工事・医療機器購入にかかる費用の目安をご紹介します。
まずは、「政府統計ポータルサイトe-Stat」に記載されている『建築着工統計調査(2021)』をもとに、「構造別」と「地域別」に分けて建設費用の目安をご紹介します。
ビルの3つの構造タイプ「SRC造」「RC造」「S造」ごとの費用目安(坪単価)はこちらです。
※『建築着工統計調査(2021)用途別、構造別/建築物の数、床面積、工事費予定額』にある「病院・診療所」項目の「床面積の合計」「工事費予定額」より算出。
※計算式:(工事費予定額÷床面積の合計)×3.306=坪単価
続いて、構造タイプ「SRC造」「RC造」「S造」ごとの都道府県別の費用目安(坪単価)はこちらです。
【北海道】
【東京都】
【埼玉県】
【大阪府】
※『建築着工統計調査(2021)用途別、構造別/建築物の数、床面積、工事費予定額』にある「病院・診療所」項目の「床面積の合計」「工事費予定額」より算出。
※計算式:(工事費予定額÷床面積の合計)×3.306=坪単価
病院やクリニックの内装工事費は、坪単価約40万円~が相場と言われています。
建物の規模やデザイン、使用する建材によって費用は異なりますが、診療科目ごとのおおよその目安は以下の通りです。
病院の開業にあたって、最も多額の資金を必要とするのが医療機器の購入費用です。
導入する機器の数や性能によって、必要な費用は大きく異なりますが、以下を一つの目安として参考にしてみましょう。
病院を建設するのにかかる期間として、明確なものは設定されていません。
ですが、目安の一つとして、新築住宅を建てる場合は「3~6ヶ月程度」、木造・軽量鉄骨のアパートやビルの場合は「(階数×1ヶ月)+1ヶ月」、鉄筋コンクリート造の場合は「(階数×1ヶ月)+3ヶ月」と、一般的に言われています。
より正確な工期については、建物の構造タイプや規模、階数、間取りなど、さまざまな要素で変わってくるでしょう。
病院の開業自体にかかる期間の目安としては、1年半~2年程度と言われています。
病院の建設・開業に至るまでの、大まかな流れは以下の通りです。
【病院建設・開業までの流れ】
①開業時期や事業計画の決定
②物件選び・資金調達
③敷地条件の調査
④建物の設計・内装や導入機器の決定
⑤施工会社の選定・工事開始
⑥スタッフの採用・広告宣伝
⑦行政への許可申請・手続き
病院の開業で利用できる補助金・助成金は、どのようなものがあるのでしょうか。
代表的なものを以下にまとめましたので、参考にご覧ください。
土地活用としてアパート・マンション経営を考える方は多くいますが、そのメリットの一つとなるのが、「所得税」と「相続税」の節税です。
会社員として給与所得を得ている場合は「損益通算」で、課税所得を減らすことで「所得税」の節税をすることができたり、建物に対して課される「相続税」を減らすことができたりします。
これは、病院経営をした場合にも当てはまります。一方で、会社員をしながら病院経営する人は比較的少ないと考えられるため、「所得税」の節税になるという人はそこまで多くないでしょう。
こちらのコラムでは、病院の建設について、費用が決まるポイントや費用の目安、利用できる補助金などの基礎知識をお伝えしました。病院建設を検討中の方で、「まずは何から始めていいか分からない」という方は、病院の建設実績が豊富な業者にまずは相談してみるのが良いでしょう。
田村工務店は、埼玉県川口市エリアを中心に建設工事・土木工事業や公共事業等を営んでおります。創業50年以上の中で1,000件を超える施工実績と信頼を積み重ね、川口市からは「優秀建設工事施工業者」を11年連続で表彰していただいております。
弊社では、病院・クリニックをはじめとした医療施設の施工を数多く承っております。お客様のご希望に合わせて最適な提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
施工事例は、こちらよりご覧いただけます。